うちの姉弟について — ASDの娘(中3)とADHDの息子(小5)と私

このサイトを訪れてくださって、ありがとうございます。 最初の記事として、まず私自身のことと、うちの2人の子どもたちのことを、少しだけお話させてください。

目次

はじめに

発達子育てのお助け道具箱」を運営している、テオ と申します。

普段はAIエンジニア・ソフトウェア開発者 として、仕事をしている40代の親です。ChatGPTのようなAI技術を使ったソフトウェア を作るのが本業です。

このサイトは、ASDの娘とADHDの息子を育てる毎日の中で、私自身が試行錯誤しながら見つけてきた工夫やツールを、同じ立場の親御さんに役立ててもらえたら、という想いから始めました。

正直、自分のことを書くのは恥ずかしいんですが…どんな立場の人間が書いているサイトなのかを最初にお伝えしたくて。

専門家の書いた発達障害の本やサイトはたくさんあります。一方で、「当事者親が、毎日の生活の中で試して、効いた工夫・効かなかった工夫」を、生々しく等身大で書いた情報は、まだ多くありません。

私が日々の暮らしの中で見つけてきた小さな工夫を、ここで一つひとつ共有していきます。

ASDの娘について

うちの娘は中学3年生で、自閉スペクトラム症(ASD) の診断を受けています。

わたしは、いろんなことが他の子と少しちがうらしい。

娘の特性

具体的には、こんな特性があります。

  • 感覚の過敏さ — 服の縫い目、洗濯表示のタグ、特定の食感の食べ物が苦手
  • 見通しが立たない場面が苦手 — 「いつもと違うこと」が起きると不安が強くなる
  • 強いこだわり — 服装や持ち物、食事のルーティンが決まっている
  • 言葉を額面通りに受け取る — 比喩や冗談の理解が難しいことがある
  • 興味の対象は深く、長く — 一度好きになったものを何年も大切にする
  • 体と声に出る反復行動 — 家ではジャンプしたり、独り言を呟いたり、ウロウロ歩き回ることが多い

特に感覚過敏は、娘の生活に大きな影響を与えています。Tシャツのタグを全部切り取って洗濯し、靴下は同じブランドの同じ型を5足ストックして、給食のメニュー表を毎週月曜日に確認して心の準備をして…。

中学校に入ってからは、制服との闘い も加わりました。襟元のタグ、化学繊維のスカート、決まった形のリボン——内側のタグを毎学期取り除く作業や、許される範囲でのインナー調整など、季節の変わり目ごとに小さな調整を続けています。

そんな日々の積み重ねが、娘の安心の土台になっています。

娘の強み

特性は「困りごと」だけではなく、強み でもあります。

娘は、一度興味を持ったことに対する集中力と探求心が、本当にすごい。図鑑を細部まで暗記したり、お気に入りの絵本のセリフを完璧に再現したり、好きなキャラクターの設定を全部覚えていたり。

親としては感動を通り越して、ちょっと圧倒される瞬間がよくあります。

こだわり」と「情熱」は表裏一体だと、私は思っています。

今は学校生活で時々それが「困りごと」として現れるけれど、娘の人生全体で見たら、この特性は大きな武器になるはず。私はそう信じて、日々向き合っています。

学校では一人でも、それがマイペース

娘は、学校でのコミュニケーションは苦手 です。同年代の子と上手く関係を築くのが難しく、休み時間も一人で過ごすことが多いと聞きます。

ただ、それが娘にとって苦痛とは限らない というのが、年々分かってきたことです。

娘は本を読むのも、自分の好きな世界に没頭するのも、一人の時間も、得意です。「休み時間に一人で過ごせる」というのは、見方を変えれば彼女なりに自分を整える時間 を確保できているということ。

「友達が多くないとかわいそう」という大人の視点で測ると、見落としてしまう部分があります。娘には娘のペースがある ということを、親として尊重するようになりました。

家に帰ってからは、リビングをジャンプしながら歩き回ったり、独り言を呟きながら推しのアイドルの世界に入っていく時間も大切。これも娘なりの自分を表現する方法 だと、無理に止めないようにしています。

意外な「うっかり」の側面

「予測可能性を大事にする」「こだわりが強い」というASDのイメージとは別に、娘には大切なものを失くしやすい という意外な一面もあります。

学校支給のiPadは、これまで2回紛失。さらに吹奏楽部で借りているトロンボーンまで、いつの間にか手元から行方不明になっていたことがありました。

大きなトロンボーンを、どうやってなくすんだろう…って、本気で謎でした。

普通はなくさないようなサイズのものでも、集中の対象が一点に深く向きやすい娘は、それ以外のものへの注意がふっと抜け落ちることがあるようです。ASD特性の意外な側面 だと感じています。

このエピソードがあったからこそ、後でお話しするAirTagやスマートタグは弟だけでなく娘の持ち物にも 導入することになりました。「失くす」は、弟だけの問題ではなかったんです。

親として工夫してきたこと

娘との生活で私が学んだ一番大きなことは、「先回りで予測可能性を作る」ということでした。

  • 翌日の予定を寝る前に絵で確認する
  • 服装は前日の天気予報と一緒に決めておく
  • 苦手な行事の前は、流れを動画やイラストで予習する

こうした工夫の多くは、後でお話しするスマート家電やデジタルツールで、ずいぶん楽になりました。

ADHDの息子について

うちの息子は小学5年生で、注意欠如・多動症(ADHD) の診断を受けていて、加えて読み書きの困難(LD・限局性学習症) も併せ持っています。

ぼくは、忘れ物と落とし物のチャンピオンだよ!

息子の特性

息子の特性は、娘とは全く違う方向に現れています。

  • 多動性 — 座っていても体のどこかが常に動いている
  • 衝動性 — 思いついたことをすぐ口に出す、行動する
  • 不注意 — 持ち物の管理が苦手、約束を忘れる、複数のタスクを並行できない
  • 読み書きの困難 — 文字を読むこと、書くことに、同年齢の子の数倍の労力がかかる
  • 興味の波が激しい — ハマったものには驚異的に集中するが、興味のないものには5分も耐えられない

朝、学校に行く準備に1時間半かかる。「教科書、ハンカチ、水筒、上履き、給食袋、連絡帳…」を一つずつ言い続ける親と、その途中で漫画を読み始める息子。これがうちの定番の朝の風景です。

息子の強み

息子の強みは、まっすぐな心と、突き抜けた集中力(時々) です。

人懐っこくて、人と一緒にいることが何より好き。誰とでもすぐ友達になり、困っている子がいたら真っ先に声をかける。ルールを律儀に守って、不正に対しては妥協しない。

ただ、その分一人で過ごすのが苦手 でもあります。家でも常に「ねえねえ、一緒に遊ぼう」と誰かを誘いに来るタイプ。彼にとって他者の存在は、空気のように欠かせないもののようです。

そして、何かに夢中になった時の集中力は、ASDの娘とはまた違った形で「凄まじい」。レゴの組み立て、虫の観察、好きなスポーツのトレーニング——興味の対象に向かう瞬発力と没入感は、見ていて圧倒されます。

興味の対象が日々の宿題やテスト勉強だったら、もう少し家庭が穏やかなのになぁ…と、つい思っちゃう。

学校の池に、2回はまった話

これは弟の特性を象徴する、忘れられないエピソードです。

実は弟、学校の池に2回はまったことがあります

「気をつけなさい」「池の縁では走らない」と何度伝えても、興味を引くものを見つけると、その瞬間それだけが頭の中を占めてしまう。衝動性と過集中の組み合わせ が、こういう形で出てしまうのです。

池の中に、おもしろそうな虫がいたから…

幸い大きな怪我には至りませんでしたが、親としては「世の中に、大きな池に2回もはまる小学生がそうそういるか?」と、半ば呆れと笑いと心配が混ざったような心境でした。

ところが後日、発達障害の親の会 で同じ話をしたところ、「うちも池にはまった」「毎年、必ず一人は池にはまる子がいる」という声が、複数のお母さんから返ってきたんです。

ADHDあるある、だったみたいです…笑

池にはまるのは我が家だけじゃないんだ」と分かった瞬間、長年抱えていた不安と恥ずかしさが、ふっと軽くなりました。同じ立場の親同士で経験を共有できる場所は、本当に大切だなと感じた出来事でもありました。

このことがあってから、私たち夫婦は「叱る」より「環境を変える」「事前に注意点を視覚化する」 に方針を転換しました。学校とも状況を共有して見守りを強化してもらい、本人にも事前注意のチェックリストを持たせるなど、小さな工夫を積み重ねるようになりました。

白い食器でしか食べられない、弟のこだわり

「思いついたら即行動」「後先考えない」というADHDのイメージとは別に、弟には意外なこだわり の強さもあります。それは、食事と食器 に関するこだわりです。

弟は偏食 で、食べられるものが限られています。そして、もう一つ。真っ白なお皿やコップでないと食べられない のです。

柄入りのお皿、色の濃いコップ、ガラス器、ホテルの装飾的な食器——どれもダメ。だから、家族で外食をする時は、「メニューを選べるか」だけでなく「どんな食器で出てくるか」 も大きな関門になります。

家を出る前に、店の食器のレビュー写真を確認することもあります。

世の中では「感覚過敏はASDの特性」と語られがちですが、実際にはADHDのお子さんが強い感覚的こだわりを持つことも珍しくありません。姉の「うっかり」と同じく、弟のこの「食器のこだわり」も、教科書的なラベルだけでは説明しきれない、この子なりの個性 だと感じています。

親として工夫してきたこと

息子との生活で学んだのは、「叱るより、仕組みで解決する」ということでした。

「ちゃんとして」「忘れないで」「集中して」と言葉で促し続けるのは、親も子もすり減ります。それより、

  • 持ち物にAirTagをつけて、紛失時に親が探せるようにする
  • タイマーで集中時間を区切る
  • 朝の支度をAlexaの定型アクションで音声誘導する
  • 持ち物確認をチェックリストアプリで視覚化する

こうした「仕組み」を増やすほうが、ずっと現実的でした。

ASDとADHDの両方を育てる中で気づいたこと

発達障害」とひとくくりに言われますが、ASDとADHDでは、必要な支援も、効く工夫も、まったく違います

真逆の特性と向き合う日常

例えばこんな感じです。

場面娘(ASD)息子(ADHD)
予定「予定通り」が安心「予定通り」が苦手
環境静かな環境が必要適度な刺激がないと集中できない
ルール明確なルールが助けになるルールでがんじがらめだと窒息する
切り替え急な変更が大きなストレス興味が逸れると一瞬で切り替わる
過ごし方一人で本を読んで過ごせる友達と一緒でないと寂しい

つまり、同じ家庭の中で、子どもごとに真逆の対応が必要という日常です。

特に意外だったのは、「ASDの子は孤立しがち、ADHDの子は社交的」という一般的なイメージとは、うちは逆だった こと。娘は一人でいることが平気で、本の世界に没頭できる。一方の息子は、人といないと寂しく、一人遊びが続かない。

「発達障害」というラベルが付いていても、特性の出方は本当に一人ひとり違う。我が家の経験から、私はそう実感しています。

これは率直に、親にとってかなり消耗の大きいことだと思っています。同じ立場の方なら、きっと共感していただけるんじゃないでしょうか。

だからこそ、親が「頑張りすぎない」仕組みが必要

姉弟それぞれに最適な対応を、親が常時、頭の中だけでやりくりするのは無理があります。

私が辿り着いた答えは、「親の脳みそに頼らない仕組みを増やす」ということでした。

スマートデバイス、AIアシスタント、整理整頓グッズ、紛失防止タグ、タイマー、視覚支援アプリ——こうしたツールに「外部の脳みそ」として働いてもらう。

これによって、親は「叱る」「思い出させる」「先回りする」役割から少しだけ解放されて、子どもの話を聞いたり、一緒に楽しんだりする余白が生まれます。

なぜAI・ITで支援するのか

私の本業は、AIエンジニア・ソフトウェア開発者 です。普段は、ChatGPTのようなAI技術を使ったソフトウェア を作っています。

正直に言うと、最初は「自分の専門性が、子育ての困りごとと結びつく」とは思っていませんでした。

仕事はあくまで仕事、子育ては子育て、別物だと考えていました。

転機

転機は、息子のADHDが分かった頃のことです。

「忘れ物が多い」というレベルではなく、毎朝何かを失い、毎週何かを学校に置き忘れ、家の中でも「あれどこ行った?」が一日に何度も飛び交う日々。

ある日ふと、こう気づいたんです。

「これ、エンジニアの世界だったら『ログを取る』『センサーを置く』『自動化する』で解決する課題だな」

そこから、

  • AirTagを息子の持ち物につけて紛失時の捜索を高速化
  • AlexaSwitchBotで朝のルーチンを音声で誘導
  • カレンダー共有アプリで娘の見通しを視覚化
  • 視覚支援アプリで予定を絵カードで表示

——こうしたツールを順番に試していきました。すべてが「効いた」わけではありませんが、効くものは本当に劇的に効きました

「親が頑張る量を減らす」ことが、子どもにも優しい

親が頑張る量を減らす」ことが、結果として「子どもにも優しい環境」を作る。

この発見が、このサイトを立ち上げた直接のきっかけです。

AIやIT・スマートデバイスは、世の中に情報があふれていますが、「発達障害のある子の子育てに、これがどう役立つか」という視点で書かれたものは、まだあまり多くありません。

エンジニアとしての視点と、当事者親としての経験の両方 を持つ立場として、技術と生活の橋渡しになる情報をお伝えしていきたいと思っています。

このサイトでお伝えしたいこと

最後に、このサイトの位置づけについて、はっきりお伝えしておきたいことがあります。

医療や療育の専門家ではありません

私は医師でも、心理士でも、療育の専門家でもありません。

このサイトの内容は、医療的・療育的な助言ではなく、一当事者親の体験と工夫の共有です

診断や治療、療育の方針については、必ずお子さんを実際に見ているお医者さんや専門家にご相談ください。このサイトは、それを補完する「生活の工夫の引き出し」として活用していただけたら嬉しいです。

「我が家ではこうでした」を素直に書きます

そのうえで、当事者親としての一次情報には、独特の価値があると信じています。

  • カタログには書いていない、実生活で使ってみた感想
  • 子どもの反応はこうだった、というリアルな反応
  • 失敗したから真似しないでほしいパターン
  • 想定外に良かったポイント

こうした生々しい情報は、専門書にはなかなか載っていません。

我が家ではこうでした」「お試しのヒントになれば」という素直なスタンスで、誠実に書いていきます。

同じ立場の親御さんと、つながりたい

このサイトを読んでくださる方の多くは、おそらく、私と同じく発達障害のある子と暮らす親、あるいは家族や教員、支援者の方々だと思います。

すでにあらゆる工夫をしながら、それでもまだ大変で、何かヒントを探している。そんな方の役に少しでも立てたら、これに勝る喜びはありません。

気軽に、参考にできるところだけつまみ食いしてもらえたら嬉しいです。

お互い、子どもが大人になるまでの長い旅路を、楽しめる時は楽しんで、しんどい時はしんどいと言いながら、続けていきましょう。

次に読んでほしい記事

このプロフィールの次に、当サイトの方向性をより具体的に書いた記事もあわせてお読みいただけたら嬉しいです。

長文をお読みいただき、ありがとうございました。

これからどうぞよろしくお願いします。

発達子育ての工夫を紹介する記事

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この記事を書いた人

ASDの娘(中3)とADHDの息子(小5)を持つ40代の親です。
普段はAIエンジニア・ソフトウェア開発者 として、仕事をしており、ChatGPTのようなAI技術を使ったソフトウェア を作るのが本業です。

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